12 見えない鎖(フィデール)

 百代目、ラ・ノーチェ国王は現在二十三歳の独身である。 彼に対して一番耳にする情報は、『変人』の一言に尽きる。 それもそうだろう。彼が王位を継いで二年と少し。その間、一度たりとも人の前に姿を現さない。現わさないというのは … 続きを読む 12 見えない鎖(フィデール)

いただきもの:茉莉花さまより

「花信風」ふたり 茉莉花さまより頂きました、「花信風」のシェルとエイラートです。背中合わせでお互い見てないというのが、話の中の2人の関係を表しているかのようで、見た瞬間、「おお!」と思ってしまいました。お忙しい中、素敵な … 続きを読む いただきもの:茉莉花さまより

第5話 心のきざはしをのぼって

 天界は光が頭上にあるため天候がなかった。 何もなければ明かりが降り注ぎ続けるこの天界は、時間になるとミカエルの力で光を遮る。それが人間界では夜にあたり、天界では薄暗い程度のものになる。 人間界と違う“夜”にマリアベール … 続きを読む 第5話 心のきざはしをのぼって

第9話 ハッピーエンド?

 うろたえる秋月(しゅうげつ)は面白い。 でもそのせいで目的を見失っては元も子もなく、あたしはもう一度秋月に問いかけた。 「あー……まあ、いつかは話すことなんだろうが……」「だから今。はい即答。なんでも話すって言ったよね … 続きを読む 第9話 ハッピーエンド?

第8話 ズルくても一石二鳥

 盛大な腹いせ――あたしを吸血鬼にしたせいで、極上の血を味わえなくなったからという――とやらはもうすぐ終わるらしい。もう一度、二人の姿を映した時は傷は増えていたけど、周りにいる人たちはほとんど居なくなっていた。 それに加 … 続きを読む 第8話 ズルくても一石二鳥

第7話 契約の中にある真実

 心を落ち着かせるために、深く息を吸って今までのことを思い出してみた。 気づいたら、あたしってば秋月に何回も『嫌い』って言ってたっけ。 嫌いと言われることが、結構キツイもんだと改めて思った。同時に、あれだけ言っても気持ち … 続きを読む 第7話 契約の中にある真実

第6話 答えを求める問い

 この部屋に来て数十分の間に起きた出来事に呆然とし、そしてため息をついた後、トリィが軽く肩を叩いた。 「トリィ……」「とりあえず、窓を閉めて居間に行きましょう。二人ともしばらく戻ってこないわ」「あ……うん、そうだね」「そ … 続きを読む 第6話 答えを求める問い

11 変人認定(フィデール)

 信じたくない事実が真実になってしまった――と頭を抱えたくなった。 よりにもよって彼女が『玉の乙女』とは――もっと女らしい人なら良かったのに、というのが本音だ。 「いや、あの……できれば『引っかかったな』とか言って欲しい … 続きを読む 11 変人認定(フィデール)

第5話 苦労しても身にならないこともある

 あたし、琴音(ことね)の十六歳の誕生日、そりゃもう大騒動だった。 養い親――秋月(しゅうげつ)が吸血鬼だとその身をもって知らされて、そしてそのまま仲間にされて。 逃げだしたら同じ吸血鬼のトリィ――アーティストリィという … 続きを読む 第5話 苦労しても身にならないこともある