第3話 あたしの命はいつまで持つのか?

 ああ、くらくらして地面が波打っているように見える。当たり前だ、目眩が酷い。なんでもいい掴まるものが欲しい。 倒れそうになったので、少しだけ歩いてブロック塀によろめきながら手をついた。 のろのろとカメのような速度だったた … 続きを読む 第3話 あたしの命はいつまで持つのか?

10 どうしても勝てない(フィデール)

 雑事を片付け自室に戻ったのはかなり遅い時間になってしまった。扉を開けて明かりを灯すとふう、とひと息ついた。 それにしてもあの二人の組み合わせは心臓に悪い。最強の上、最凶コンビではないじゃないですかー! と悲鳴を上げて逃 … 続きを読む 10 どうしても勝てない(フィデール)

その7 職人ゼルガディス

「ふっ…完璧だ――」 手のひらに乗っているのは、彼が務めている会社いちおしの開発品――有機物でできた動くぬいぐるみ『くらげん』。職人気質の男――ゼルガディス。いくら気の乗らないものでも、上からの命令(笑)なら、きちんと仕 … 続きを読む その7 職人ゼルガディス

第2話 天変地異は何度来る?

 昨日はあたし――琴音(ことね)にすると天変地異に等しい出来事が四回も立て続けに起こった。 もう、すごい大ショック。今まで信じていたものが、一気にガラガラと音を立てて崩れていく感じ。 あ、天変地異が四回も起これば生きてる … 続きを読む 第2話 天変地異は何度来る?

第1話 人生、一寸先は闇。

 人生、一寸先は闇――それが十六歳の誕生日にあたしが悟ったことだった。  あたしにとって一番古い記憶は、お腹を空かせてどこかの家の壁にもたれかかって座り込んでいるもの。 ああ、このまま死ぬんだ、って小さいながらに思った。 … 続きを読む 第1話 人生、一寸先は闇。

その6 てふてふまわる。

「ウフフ…結構気持ちいいのね」「でしょう? 結構病みつきになるのよ」「ええ、分かるわあ」 「……お前まで染まってどーする…」 2人並んでくらげの着ぐるみを着て寝るのを見て、深い深いため息をつくゼルガディス。実は『くらげん … 続きを読む その6 てふてふまわる。

09 郷に入っては郷に従え

 唇は触れただけ。恋人とのキスのようにそれ以上深くなることはなかった。 すぐに離れてある程度の距離を取る。 「ま、ここにいる間、口説こうと思うんでこういう意味でよろしくな」「ななななな……なにをするっ!?」「男でも女でも … 続きを読む 09 郷に入っては郷に従え

08 お熱い夜はお好き?

 カチャカチャといくつか小瓶をあけて、少しずつ茶葉を取り出してポットに入れていく。これとこれとこれ。そしてきわめ付けがこれ、と。うん。こんなもんかな。 蒸らすのに時間がかかるので、沸いたお湯をフィデールの顔を見ないうちに … 続きを読む 08 お熱い夜はお好き?