16.5 フィデールから見た二人

 昨夜はシエンに付き合ってほぼ寝ていなかった。 シエン――ミオさんの前ではアスル・アズールと呼んだほうがいいのか。間違ってシエンと呼んだ日には、ミオさんから思い切りツッコミが入りそうで怖い。 気をつけなければ――そう思っ … 続きを読む 16.5 フィデールから見た二人

12 見えない鎖(フィデール)

 百代目、ラ・ノーチェ国王は現在二十三歳の独身である。 彼に対して一番耳にする情報は、『変人』の一言に尽きる。 それもそうだろう。彼が王位を継いで二年と少し。その間、一度たりとも人の前に姿を現さない。現わさないというのは … 続きを読む 12 見えない鎖(フィデール)

11 変人認定(フィデール)

 信じたくない事実が真実になってしまった――と頭を抱えたくなった。 よりにもよって彼女が『玉の乙女』とは――もっと女らしい人なら良かったのに、というのが本音だ。 「いや、あの……できれば『引っかかったな』とか言って欲しい … 続きを読む 11 変人認定(フィデール)

10 どうしても勝てない(フィデール)

 雑事を片付け自室に戻ったのはかなり遅い時間になってしまった。扉を開けて明かりを灯すとふう、とひと息ついた。 それにしてもあの二人の組み合わせは心臓に悪い。最強の上、最凶コンビではないじゃないですかー! と悲鳴を上げて逃 … 続きを読む 10 どうしても勝てない(フィデール)

09 郷に入っては郷に従え

 唇は触れただけ。恋人とのキスのようにそれ以上深くなることはなかった。 すぐに離れてある程度の距離を取る。 「ま、ここにいる間、口説こうと思うんでこういう意味でよろしくな」「ななななな……なにをするっ!?」「男でも女でも … 続きを読む 09 郷に入っては郷に従え