あれからどれくらい時間が経ったのかわからなかった。 右肩がジンジンと痛む。出血もしているようで、嫌な鉄の匂いが優花の鼻にも届く。 血の匂いに誘われて肉食獣が来たらと思うとまた恐怖に襲われ、なんとか起き上がろうとする。 … 続きを読む 第03話 出会い(1)
投稿者: hirone
第02話 異世界キト(5)
優花は心臓が止まるような錯覚を覚え、胸に手をあてた。 「あなたは……何を考えているんですか!」 どうやら先程の話は報告せずともファーディナンドの耳に届いたようだ。 地獄耳なのか、それともエラトの親が文句を言っていたの … 続きを読む 第02話 異世界キト(5)
第02話 異世界キト(4)
「今日もお疲れ様でした」「ありがとう、テティス」 差し出されたお茶を受け取る。珍しく人が少なく、久しぶりにもらえた休日のような気分だ。のんびりとお茶を飲んで一息つく。 それにしても神官・巫女がいるのだから、ある程度の人 … 続きを読む 第02話 異世界キト(4)
第02話 異世界キト(3)
急に意識を失った優花が心配で、テティスは顔を近づけた。 声をかけても返事はなく、すうすうと規則正しい寝息を立てていた。 (薬が効いたのかしら……?) ファーディナンドがいきなり見知らぬ地に来て、少し興奮しているような … 続きを読む 第02話 異世界キト(3)
第02話 異世界キト(2)
ファーディナンドに急かされるようにして部屋を出ると、白い服を着た人たちが大勢跪いていて、優花は驚き一歩後ずさった。 確か宮といったか、神が住まう場所ならば、それに仕える人も多いだろう。でもこういったのを見慣れていない優 … 続きを読む 第02話 異世界キト(2)
第02話 異世界キト(1)
白い空間をしばらく漂った後、ふと背中に何かを感じて、優花はそっと目を開けた。 手を動かすと硬くて冷たいものにあたる。なんだろうと数回撫でてみると、それは大理石のように磨かれた石の床だと気付いた。 (なに? ってか、ここ … 続きを読む 第02話 異世界キト(1)
第01話 呼ぶ声(4)
赤くなった慎一を涼子とまどかの二人でからかっている。 涼子とまどか二人を相手に何か返すから、次から次へとやりとりを続けることになるのだ。だからある程度のところで切り上げたほうが延々続かなくて済む。 優花にとっていつもの … 続きを読む 第01話 呼ぶ声(4)
第01話 呼ぶ声(3)
早足だったせいか、学校にはいつもの時間通り着いた。 ついでに保健室へと行くくらいの時間があったので、優花は慎一に連れられて保健室へと向かう。 優花は小さな怪我をよくするので保健室の常連だった。保健室の先生と気軽に挨拶し … 続きを読む 第01話 呼ぶ声(3)
第01話 呼ぶ声(2)
朝食を食べ終わるといつの間にかに不安は消え、機嫌よく家を出た。行ってきます、という声と同時に玄関のドアを開ける。 「あ、おはよう、シンちゃん」「よっ、優花」 家の入口の前には制服と思われる格好の男の子が立っている。 … 続きを読む 第01話 呼ぶ声(2)
第01話 呼ぶ声(1)
彼女は気づくとそこは何もない空間に立っていた。 白く、そしてところどころわずかに虹色に輝く空間に。 いきなり知らない場所にいたのか、彼女は呆然としつつ首を傾げた。 夢なのか、はたまた死後の世界というやつなのか。夢ならい … 続きを読む 第01話 呼ぶ声(1)