第2章 自覚~思いが通う瞬間-15

 その日の夕食は暗殺者に狙われるというハプニングがあった割には明るいものになった。それは主であるガウリイから笑顔が絶えないせいだ。鼻歌でも聞こえて来そうなほどご機嫌なのが分かる。 ゼルガディスは帰ってきた時とまるきり違う … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-15

第2章 自覚~思いが通う瞬間-14

 リナはガウリイに詰め寄られて思わず口をぎゅっと引き結んだ。内心、ものすごく困っていた。 怪我をして倒れたのは覚えているが、次に目が覚めた時、どうしてガウリイが目の前に居るのか。 リナには自分の意識がないときに、どういう … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-14

第2章 自覚~思いが通う瞬間-13

 まだ明るい日差しが差し込む中、ガウリイは椅子から立ち上がってリナの頭の横に手を置き、そのまま体重をかけた。 間近で見るリナの顔に鼓動は高鳴り、そして心の奥から悪魔の囁きが聞こえる。 このままものにしてしまえ――と。 「 … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-13

第2章 自覚~思いが通う瞬間-12

 リナの怪我は深いわけではなかったが、肩口から胸にかけて鋭い刃物でざっくりと切られたような状態だった。 シルフィールとアメリアが慌てて『復活(リザレクション)』で傷を癒したが、傷が広範囲だったため出血が酷く、血が足りず貧 … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-12

第2章 自覚~思いが通う瞬間-11

 こうして暗殺者たちと対峙しても、いるのは暗殺者のみ。それを雇った者は姿を現さない。 何度となく命を狙われているガウリイだが、その黒幕がいったい誰なのか、まったくわからない。 もちろん頭のいいゼルガディスも分からない。で … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-11

02 「それで私に何をしろと」「座っているだけで」

 リナが就職したJ.F.カンパニーは比較的新しい会社だ。 もともと社長のガウリイは大手商社の次男らしいが、大学に行っていた時に意気投合した仲間たちと立ち上げたのがJ.F.カンパニーだった。 仲間たちとの話し合いの結果、融 … 続きを読む 02 「それで私に何をしろと」「座っているだけで」

01 「君は私を何だと思っている」「多少、無能かと」

 リナ=インバース。 二十二歳。この春大学卒業。商社J.F.カンパニーに入社。 この年の新入社員の中では一番の有望株のため、彼女は入社早々に秘書課へと配属。  ――というのは表向きの話。 実際は秘書課に勤めていた社員が一 … 続きを読む 01 「君は私を何だと思っている」「多少、無能かと」

第2章 自覚~思いが通う瞬間-10

 シルフィールは一晩最後にリナの言った言葉を反芻していた。 『人は血筋や家柄のみで動かない』  その言葉はシルフィールの胸をまたしても射抜いた。 ここに来てから、人々に望まれているのは良く分かっている。でもそのことに胡坐 … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-10

第2章 自覚~思いが通う瞬間-9

 シルフィールはエルメキア城に来てから、常に人に見られていた。でもそれは好意のものが多く、不快なものではない。 だから嬉しいものだったが、一つだけ気になるのは、もう一つの注目の的――ガウリイが自分を見るときに感じる感情だ … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-9

第2章 自覚~思いが通う瞬間-8

 アメリアにとって、リナは初めてできた親友だった。 王女として育ってきた彼女は、皆に愛されてはいた。けれど、同じ年の子どもたちにはどこか一歩下がって接していた。王女だから、それが理由だろう。 第一王女である姉がいた時は良 … 続きを読む 第2章 自覚~思いが通う瞬間-8